私が初めて5度調弦を試したのは福井交響楽団在籍中、楽団所有の5弦バスでした。
弦が古くなってきてそろそろ交換かなという時にやってみました。
第2弦D線はそのままでOK
第3弦A線をGまで下げてみた。
第4弦E線をとりはずし、かわりにC線を張ってみる。
楽器のバランスが心配なので第5弦にE線を張っておく。
そしていよいよ第1弦G線、切れるのを覚悟の上でAまで上げてみる。
かなり張力がきついなとは思ったが切れずに済んだ。

よし、弾いてみよう。
ん?この音は・・・。しばし絶句。
同じ楽器とは思えない・・・。
鼻にかかったような音は微塵も無く、ヴァイオリンやチェロのようなよくとおる音。
手を加えていないD線の音色が違う。
そう、これこそ私の求める音!!なんていい音なんだ!!!
完全ナルシストモード。

早速ソロ弦のAとFisを購入し、5度調弦に取り組み始める。
やはり慣れるのには時間がかかる。
この過渡期は本番を4度調弦でこなす一方、5度調弦も練習。
幸いチェロも弾けることも手伝って早く慣れることが出来ました。
2ヶ月後5度調弦で初の本番。
やはりまだ「自然に指がそこへ行く」にはほど遠く、
常に頭で考えながらの演奏でした。
自然に演奏できるようになるまで1年くらいかかったと思います。