台湾探訪その1

 

 2002年夏、台湾を訪れました。

 3泊4日で花蓮(ホワリェン)・高雄(カオシュン)・台南(タイナン)・台北(タイペイ)を廻る、駆け足の台湾一周の旅です。

 

  

 関西空港から約3時間(時差は1時間)。台北の中正国際空港へ到着した私達は、現地のガイドさんと合流した後、そのまま国内線の松山空港からプロペラ機で、この旅のスタート地点である花蓮に入りました。花蓮は台湾の中でそれほど大きな都市ではありませんが、先住民族が多く住む街であり、太魯閣峡谷への玄関口として大理石で有名な街でもあります。写真左:宿泊したパークビュー・ホテル(美侖大飯店)、右:ホテルから眺めた花蓮市内。 

 

 花蓮の夜、アミ文化村にアミ族の踊りを見に出かけました。台湾の人口は約2240万人。その内約98%が漢民族系で、残りがタイヤル族などの先住民族(マレー・ポリネシア系)。アミ族はその中でも歌や踊りが上手な民族だそうです。残念ながら会場が暗かったため写真は撮れませんでしたが、先住民族の文化を垣間見ることができました。翌日は太魯閣へ。国家公園に指定されているこの一帯は、太平洋へそそぐ立霧渓の流れが長い年月をかけて大理石を浸食して造り出した壮大な峡谷地帯。現在は東西横貫公路と呼ばれる道路が通っていますが、この道路も、もとは断崖絶壁の難所だったのを、蒋介石と共にやってきた兵士たちが人力でトンネルを掘り、道を通したというのですから驚きです(写真左、右はイワツバメの巣がある燕子口)。

  

 

  

 太魯閣峡谷を奥へと進んでいくと、蒋介石が母を記念して造った慈母橋(写真左)があります。折り返して帰りに寄った長春祠(写真右)は、東西横貫公路の工事の際に殉職された人々の霊を祀ってあるとのこと。この道路の工事がどれほどの難工事であったかがわかります。

 

 太魯閣峡谷を後にした私達、帰り道に大理石の工場を見学させていただきました(写真左)。太魯閣で目のあたりにした天然の大理石を、この工場では置物から指輪まで様々なものに加工しています。日本にも花蓮産の大理石は多く輸出されているそうです。それから、市街地へ向かう途中でよく目にしたのが、椰子の木に似た檳榔(びんろう)樹の林(写真右)。この檳榔樹の葉は、加工され、噛みタバコのような嗜好品である「檳榔」として街のところどころにある屋台のような小さな店で売られています。この檳榔屋さんには、必ずといっていいほど若い女性が檳榔娘として働いていて、売り上げを競っているとか。日本で言うと、さしずめタバコ屋さんの看板娘といったところでしょうか。

  

 

  

 台湾では一般的にバイクが庶民の足として大活躍しています(写真左)。交通法規も何のその、台湾の人々のバイクの乗りっぷりには、たくましいパワーを感じます。私達も子供4人を乗せて堂々とバイクを運転していく肝っ玉お母さん(?)を目撃しました。もちろん、交通違反ですけどね。また、ホテルの近くに国民中学がありました(写真右)。台湾の教育制度は日本と同じ6(国民小学)・3(国民中学)・3(高級中学)制。残念ながら生徒の姿を見ることはできませんでしたが、校舎の入口に「禮義廉恥」という言葉が掲げられていたのが印象的でした。

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