台湾探訪その3

 

 三日目、高雄から台南へは高速道路を車で北へ50q。

 台南は台湾の古都。清代には台湾鎮守府が置かれた歴史の街です。

 

  

 台南ではまず鄭成功を祀る延平郡王祠へ。鄭成功(1624-62)は国姓爺とも呼ばれ、明朝の滅亡後も清朝政権に屈服せず、台湾をオランダの占領から奪い返して清朝から独立した政権を台湾に建てた人物です。父・鄭芝竜は海賊出身で、母は長崎平戸の田川氏出身の日本人。近松門左衛門作の浄瑠璃『国姓爺合戦』のモデルとして日本でも有名な人物です。鄭成功は台湾統治後間もなく病死し、子の鄭経が後を継ぎますが、1683年、鄭氏政権は清朝に降伏し、台湾は清朝の支配下に入ります。この延平郡王祠は、彼が亡くなった時、民衆によって建てられたそうですが、現在は神様となって台湾の人々から慕われています。

 

 赤嵌楼は、台湾南部を占領したオランダ人によって植民地行政の中心として1624年に建てられました。当時はプロビデンシャ城と呼ばれていましたが、1661年に台湾に攻め込んだ鄭成功が翌年オランダ人を駆逐し、この建物も赤嵌楼と呼ばれるようになったそうです。1862年の地震で当時の楼閣は全壊しましたが、レンガでできた城門と基礎部分は昔のままのものだとか。きれいに修復された現在の楼閣の前には、鄭成功がオランダ人からこの地を奪還した様子が、銅像となっています。

  

 

  

 もう一つ、台南でぜひ訪れたいのが孔子廟です。孔子廟は台湾各地にありますが、この台南の孔子廟は台湾最古のもの。「全台首学」とも称されています。1665年、鄭氏政権時代に創立され、清代末に及ぶまで台湾の最高学府でもある学問所「台湾府儒学」として多くの知識人を輩出してきたということです。

 

 廟の中には、孔子とその72人の弟子、歴代の賢人150人が祀られているとともに、蒋介石をはじめ蒋経國、李登輝、陳水扁といった歴代の総統の筆による額が納められています(写真左)。広く静かな中庭には、近くの幼稚園の子どもたちが先生に連れられて見学にやってきていました(写真右)。今も変わらず、ここは台湾の人々にとっての学問の聖地なのかもしれません。

  

 

  

 さあ、午後はいよいよ最終目的地の台北に向かわなくてはいけません。その前に腹ごしらえ。台南駅(写真左)前の台南大飯店で、飲茶に加えて、台南名物の担仔(タンツー)麺(写真右)をいただきました。

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