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2008年9月8日(月)
ひさびさの更新となりました

 久々に日記を更新します。毎日の診療や講習会、学会発表など忙しいことももちろんありますが、私的にもいろいろありました。結婚と出産(私ではなく妻ですが・・・)もあり、私も2人の男の子を持つ親となりました。9月になり診察も少し落ち着いて来ましたので、今後は定期的に情報発信できるようがんばります。

 3年も更新しないといろいろありました。まずスタッフ2人が結婚退職し、先日2人とも元気な男の子を産みました。病院内も設備がさらに充実しました。主なところでは、血管シーリングシステム付電気メス、カラードプラ超音波検査装置、デジタルレントゲンシステム、全自動血球計算計などです。CT検査機器を含めて院内の診断システムはほぼ充足できましたが、手術や治療に必要な機器は今後も充実させていきたいと考えています。ひとりでも多くの患者さんに喜んで貰いたいですから。

 なぜ急に更新を思い立ったかと言えばある患者さんに「たまには更新してくださいよ〜」と言われたためです。私が更新することで当院に来院される患者さんのペットライフに少しでもお役に立てればと思い、個人的な経験や感想等を書き込みたいと思います。

 診察室ではなかなか雑談している時間を取る事も難しいので、「この院長先生、こんな事考えてるんだな〜」と想像してみてください。皆さんに少しでも身近な立場にいる獣医師でありたいと思います。

2008年9月11日(木)
循環器講習会に参加しました

 今週日曜日に名古屋へ講習会へ行ってきました。電車で片道2時間です。循環器内科学の先生の講義でした。特に今年から新発売された犬用強心薬ピモベンダンについて詳しく講義していただきました。実際には今春からすでにその新薬を使用しているのですが、今までの強心薬と作用が大きく異なり副作用も少ないのが特徴です。この半年でも何十頭ものワンちゃんたちが元気になりその効果を確認しています。

 犬の心臓病で最も多いのは僧帽弁閉鎖不全症です。7〜10歳くらいからの発症が多いようです。人間で言うと40〜50歳くらいですね。私は今年で38歳、そろそろやばいのかな?同級生の内科医師が言ってましたが、最近は30代の心疾患も増えているとの事でした。メタボにならないよう気を付けましょう。でも毎日の仕事の後の1杯のビールははずせませんが。

 それはいいとして、この心臓病の特徴は聴診器で心雑音が容易に確認できる事です。先日うちのスタッフのキャバリア(9歳)にワクチン接種するときに聴診すると心雑音があり、レントゲンですでに心拡大ありと診断されました。そういえば最近ちょっと静かにしている時間が多くなってきたとの事でした。さっそく内服を開始しました。他に散歩に行くと疲れやすい、興奮時に咳をするようになったら要注意です。

 検診を受けて心臓病を早期に発見する事で投薬を開始して、病気の進行を最小限にすることが可能です。トリミングの時の必ず獣医師が健診を当院では行っています。定期健診はやはり大事ですね。

2008年9月16日(火)
猫の肥大型心筋症

 以前から猫を飼っています。以前にも紹介しましたが名前はえのき。9歳のオスです。7月のある日、うちのスタッフがえのきが酷く息が荒いと言ってきました。体温41度!涼しい部屋で熱中症になるはずもなく、検査してみるとレントゲンで心臓がハート型に大きくなって、肺もうっ血になっていました。至急酸素ケージに入れて利尿剤を注射すると呼吸も落ち着き平熱となりました。

 これは肥大型心筋症といって中年の猫に多い心臓病です。先週説明した犬の僧帽弁閉鎖不全症とは異なり、心雑音は分からない事が多く、発見された時には手遅れに近い事もあります。まさかうちの猫が9歳でなるとは思ってもみませんでした。病気の動物を連れて来られる飼主さんも同様に思われているのでしょう。

 あれから2ヶ月、毎日の投薬によりえのきはとても元気にしています。腎臓も少し弱っているのがさらに分かりましたが、処方食を食べながらも元気になってくれるとやはりうれしいものです。

 やはり8歳以上の犬猫は、元気でも最低限の健康診断と検査は必要だなと痛感させられました。10歳からの健診ではちょっと遅いようです。

2008年9月30日(火)
ロイヤルカナン処方食値上げです

世界的な原料価格の高騰に付きという理由でロイナルカナン処方食シリーズ(旧ウオルサム)が10月から全製品値上げになります。この1年間で全メーカーの処方食および一般食が値上げしています。今回の値上げ幅は比較的小さいものの病気のワンちゃんネコちゃんを飼っていらっしゃる飼主さんにはご迷惑をおかけします。確かに高い処方食ですが病気の子にとっては薬と同じです。市販のエサが安いからと指定以外の食餌を与えないよう、ご理解をお願い致します。