室内犬や猫の誤飲はよくありますが、特に危険なのが殺鼠剤、通称「猫いらず」です。毎年数頭あるのですが、この赤いクスリ、なぜこんなものをよく食べたがるのか不思議です。殺鼠剤の成分は主にワルファリンやクマリンなどの抗凝固剤です。つまり血液が全身の臓器から出血して止まらなくなり鼠が死ぬので、ワンちゃんネコちゃんももちろん危険です。
飼主さんが誤飲を気が付いてくれた時はすぐに来院して薬を使って催吐させます。これでほぼ安心ですが、殺鼠剤の効果は種類により2〜3週間程度体内で維持されるので、油断はできません。
殺鼠剤の誤飲をすぐに気が付かなかった場合、数日後に口から血がダラダラ出て元気食欲がないなどの症状が出ます。これは極めて危険な状態です。すぐに入院してもらい肺出血などをレントゲンで確認して、解毒剤を毎日注射して、貧血であれば輸血も同時に行います。
室内飼育の誤飲は毎日のように来院があります。家族全員で注意してあげて下さい。うっかりじゃすまないこともあるのです。
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