2009年5月13日(水)
獣医師のお仕事
 文部科学省は12日までに公衆衛生分野の獣医師養成を充実させる方針を決めました。これは人への感染につながる鳥や豚のインフルエンザなど人獣共通感染病や食の安全確保など社会的ニーズを重視したものです。1年間で約1000人の獣医学科卒業生が全国で誕生していますが、昨年はその約46%が小動物臨床に従事し、公衆衛生業務に携わる獣医師は慢性的に不足しているそうです。私が獣医学科に入学した20年前は「ペットブーム」という言葉も田舎では珍しく、約25%の獣医師が動物病院に就職していたのみでした。
 私は数年前から市内の中学校で獣医師紹介の特別授業を受け入れてきましたが、獣医師の仕事は動物を治療するだけではなく、人獣共通感染病や食肉衛生管理など多岐に渡る業務に携わっていることを紹介してきました。「将来は動物関係の仕事に付きたい」と当病院へ見学に来る小中学生が毎年数十人いますが、獣医師の多様性をアピールして様々な分野で社会貢献できる獣医師を目指して入学する学生が増えてくれれば嬉しいです。ただし今の獣医学系大学は女性志願者もかなり多く難関となっているようです。今回はちょっと硬い話になってしまいました。
2009年5月15日(金)
アレルギー用のおやつがリニューアルしました
森乳フィッシュ&ポテトビスケット犬猫用  前回の話が硬すぎたので、今日はやわらかい話をします。アレルギー犬用おやつがリニューアルされ、犬猫用となりました。やや小粒で軟らかくなり食べやすくなったそうです。しかも価格改定はなく525円のままっていうのが嬉しいですね。今どき値上げされない商品ってこのおやつだけです。アレルギー猫用のおやつは今まで満足の行くものがありませんでした。皮膚や胃腸が弱い猫ちゃんにお勧めです。当病院受付にて取り扱っていますのでどうぞお試し下さい。なお旧製品は在庫分を持って終了となりますのでご了承下さい。
(左が旧製品;犬用)
(右が新製品;犬猫用)
2009年5月29日(金)
えのきくんが永眠しました
えのきくん最後の日

 以前に紹介しました猫のえのきが昨日肥大型心筋症による心不全で亡くなりました。9歳10ヶ月でした。人間で言えばまだ55歳、もう少し長生きさせてあげたかったです。昨年7月に病気が見つかり投薬を開始し、12月末には一時呼吸困難となりながらも、犬用強心薬ピモベンダンを試験的に追加投与後、劇的な改善がみられました。それ以降はずっと元気でもう治ったんじゃないかと思うほど飛び跳ねて他の猫たちと遊んでいました。しかし5月25日から容態は急変しICU装置内で点滴治療しましたが、それから3日後も容態は改善せず、これ以上苦しませてはかわいそうだと私の判断で安楽死を選びました。息をひきとったえのきの顔は安らかな寝顔でした。
 心臓病、腎臓病、内分泌病、腫瘍など様々な病気でお年寄りの犬猫の通院に来られる方は多数いらっしゃいます。うちのえのきが長生きできなかった分、患者さんたちには少しでも長生きできるよう願い、高度医療だけでなく今回の経験を生かして患者さんのお気持ちに近づいて動物医療を続けていきたいと思います。ありがとう、えのきくん。

Copyright (C) 2005-2009 Takefu Animal Medical Center. All Rights Reserved