2009年7月30日(木)
毛玉だらけの犬のトリミング
毛玉だらけの犬

 年に数回とんでもない量の毛玉を顔面から全身にまとってトリミングに来る犬猫がいます。目の周りも毛玉で覆われ結膜炎を起こし目やにだらけ。毛玉は尿を吸い込んで異臭がします。当然のように毛玉の下は皮膚炎を起こしています。耳の中の毛にも耳垢がからんで耳の中も全く見えません。毛玉で覆われているので痩せているのか太っているのかさえ判断が困難です。これではペットの健康管理も出来るわけがありません。ひどい時には毛玉で前足が締め付けられ手首から下がちぎれかけていたことがありました。ここまでくればもう動物虐待です。

 どうかここまで毛玉だらけになる前にトリミングを受けさせて下さい。毛が伸びる犬種は2〜3ヶ月毎の定期的なカットが必要です。
 
 耳の後ろの毛玉を自分でハサミで切って耳の皮膚も切ってしまう飼主さんも必ずいます。犬猫の皮膚は非常に薄く、気をつけても切ってしまいます。毛玉が出来てしまったら自分で切らずに連れてきて下さい。

毛玉だらけの犬
2009年8月5日(水)
中学生の病院見学が今年も来ました

 市内の複数の中学校から社会見学の依頼が毎年あります。ペット人気のせいか女子の方が毎年多いです。獣医師になりたい人、トリマー希望の女子、仕方なく来た人、様々です。獣医師免許証を見させてあげただけで「おお、すげ〜」と興味を示しています。

 見学の日に出来るだけ手術も見学できるよう準備しています。麻酔をかけられた動物を目の前で見る機会なんて普段まずないでしょう。女子はお腹を開けても興味津々に見ていますが、男子の中にはちょっと血が出ただけで気持ち悪くなって、オペ室から口を押さえて逃げ出すのさえいます。

 今の子供の「将来なりたい職業ランキング」の上位に獣医師が入るそうです(特に女子)。地元の新聞の地方欄に子供の写真入りでの将来の夢をみると獣医師が必ず出てきます。私の子供の頃には獣医師になりたい人なんて知っている限り1人もいませんでした。

 中学生からよくある質問と私の回答をまとめました。
1)どうしてこの仕事についたのですか?
  →バイオテクノロジーに興味があり農学部獣医学科に入学しました。大学生4年生の時に内科学を専攻し小動物臨床に興味を持ちました。
2)この仕事で嬉しかった事は何ですか?
  →難病の犬猫が元気になって飼主さんに喜んでもらえた事です。
3)この仕事につくために今ぼくたちに出来る事はなんですか?
  →勉強して下さい(特に数学、化学、生物、英語)。大学入試は医学部に次いで難関です。

2009年8月27日(木)
緊張するジャンガリアン・ハムスターの手術
ハムスターの体表腫瘍

 「ジャンガリアン・ハムスターの体にしこりが出来た」と来院される患者さんは多いです。じゃあ、しこり(腫瘍)を取ればいい?簡単?とんでもありません!

 手術には全身麻酔を必要とします。犬猫なら比較的簡単な手術です。ところがハムスターは体重30グラム程度と極めて小さく、術前の検査も静脈点滴もできません。万が一の時、輸血も、人工呼吸器につなぐ事も出来ません。しかも腫瘍が出来るということは殆どが高齢です。

 哺乳類は体重の13分の1が血液で、その3分の1が失血した場合、生命が危険な状態になると言われています。つまり体重39グラムの動物が手術中にわずか1ミリリットル出血した場合取り返しが付かない状態となりうるのです。獣医師にとってこれほど緊張するオペはそうありません。

 1滴でも出血させないよう、専用の電機メス機器で皮膚をはさみながら腫瘍を根本から切除してワイヤーで皮膚縫合し、酸素マスクで麻酔から覚醒させてその日に無事退院できました。何回やっても冷や汗物です。

ハムスターの手術後
2009年9月10日(木)
仮設販売所でのセールにご注意を!

 先週から伝染病疑いの仔犬が来ます。鯖江市内の仮設販売所で県外の業者が仔犬のセールをしていたらしく、症状は下痢、嘔吐から始まり、咳、鼻汁が出て弱って死にいたります。まだ病理解剖の結果が出ていないので病名は明記できませんが、近隣の動物病院でも同販売所から同時期に購入した仔犬が同じ症状で受診している事を考えれば、あるウイルス性伝染病の疑いが強くなります。

 2〜3年前にも仮設販売所で購入された仔犬に同様の感染病が県内で数件発症を確認しています。仮設販売所でのセール品にはご注意下さい。やはり信頼できるペットショップなどで購入するのが賢明です。初めて飼った仔犬がいきなり死亡するのでは飼主さんも私もつらいです。

 それとは話が別ですが、今年もレプトスピラ感染症の症状の犬が来ました。どうか狂犬病ワクチンだけでなく、犬8種混合ワクチンを受けるようにして下さい。

2009年9月29日(火)
ロイヤルカナン療法食価格改定のお知らせ

 10月1日(木)よりロイヤルカナン療法食が約6〜9%値上されます(犬ベッツプランを除く))。「輸送コストおよび原材料価格の上昇」というのがメーカーの言い分です。地元のSCシピイが民事再生法を申請するなど景気停滞が懸念される時に、再三に渡る療法食の値上をお知らせしなければならず、心苦しい限りです。メーカーからの一方的な通告に付き、頭を下げるしかありません。ご理解をお願い致します。なお犬用ベッツプランは今回価格改定されません。ストラバイト尿石症、アレルギー用については価格を約3割抑えた準療法食に変更できる場合がございます。受付にてサンプルをお渡ししますのでご相談下さい。

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