2010年12月1日(水)
11月の手術、検査、リハビリ実績
 今年も師走になってしまいました。昼1〜4時は麻酔をかけて行う手術や検査をしています。動物病院にとって11月は1〜2月の次に患者さんの少ない比較的静かな時期となるのですが、今年は例年になく手術や検査の依頼が多く11月があっと言う間に終わってしまった印象です。動物病院が昼にどんな仕事をしているのか興味のある方もいるかと思いますので、11月にした手術・処置・検査を多かった順に列記してみます。

・水中トレッドミル(右画像のリハビリ)20件ダックスフントのリハビリテーション
・去勢手術10件(猫5、犬5)
・避妊手術7件(猫5、犬2)
・腫瘍摘出手術3件(膣、肛門、精巣)
・歯石除去3件
・乳歯抜歯3件
・頭部CT検査3件
・胸腹部CT検査2件
・脊髄CT検査2件
・椎間板ヘルニア手術2件(頚部1件、腰部1件)
・瞬膜整復手術(以下、各1件)
・霞粒腫(目イボ)切除手術
・肘関節脱臼整復固定手術
・皮膚膿瘍ドレナージ手術
・十二指腸内異物摘出手術(松ぼっくり)

 計60件の患者を1日3時間、月24日ですべてこなさなければいけません。単純計算しますと1件あたりの許容時間は平均1時間12分です。これを私1人で全て診察して、カルテ記入をして、飼主さんから同意書を頂き、麻酔前の検査をして、元気な状態で飼主さんのもとに返さなければなりませんので、毎日が分刻みのスケジュールとなります。当然スタッフのサポートが必要です。術中麻酔管理、手術器具の滅菌・清掃、入院中の世話(給餌、体温測定、排泄物処理)などはすべて動物看護師の仕事です。これらの患者がすべて無事に退院ができたのは私共にとって最大の喜びであり献身的なスタッフ達のおかげです。昼1〜4時に診察はもちろんできませんし、私が電話に出ることすらままなりません。たまに手術が4時過ぎまでかかってしまうこともありますがご容赦下さい。あと午前の診察時間の終了直前に診察に来られますとその後のスケジュールが全て狂ってしまいますので、午前の診察も余裕を持ってご来院下さいますようお願い致します。
2010年12月20日(月)
夜の散歩はお気をつけ下さい

 日が沈むのが早くなりました。鯖江市では犬の散歩中の飼主さんの事故が増えている事を受けて、飼主と犬用の反射板が配布されたそうです。散歩中に犬の方に気が取られるようですね。お気をつけ下さい。

 話は変わりますが、11〜12月はすでに5回の学会、講習会に参加しました。


11月 7日 (日)  腹部超音波実習セミナー(金沢)
11月21日(日) 動物臨床医学会(大阪)
12月 5日 (日)  鳥の臨床講習会(福井)
12月12日(日) 獣医神経病学会(京都)
12月19日(日) 免疫性皮膚疾患講習会(富山)

 来週は1ヶ月ぶりに休めそうですが、年賀状を書かないといけません。

2011年1月4日(火)
犬の性格診断(行動解析システム)

 飼い犬の行動を入力して性格を診断する米ペンシルベニア大が開発した「C―barq」というシステムを、麻布大学伴侶動物学研究室の菊水健史教授らが日本向けに改良してネットで公開しています。気性の荒さなどが犬全体や犬種全体の中でどれくらい際だっているのかがわかり、行動に問題があれば、診断をもとに専門機関から原因や対処法について助言を受けられます。

 利用者はウェブサイトに登録し、「家の庭先、出かける前」「道を散歩」「公園に到着」「動物病院」「家でくつろぐ」など10の場面での計80の設問について飼い犬の行動を入力します。

 犬のしつけや再教育はこれまでトレーナーや獣医師の経験に基づいていましたが、C―barqは犬全体と比較する客観的な物差しとなります。菊水教授は「初めて飼う人は経験がないから、犬が少しほえただけでも『異常だ』と不安になるかもしれないが、C―barqで『平均的な行動』と知ることができる」とのこと。

 1万匹の犬全体の中での比較ができる簡易解析は無料です。犬種を限定した詳細解析は300円(1月11日までは無料)。詳細はhttp://cbarq.inutokurasu.jp 興味のある方はご利用下さい。

2011年2月24日(木)
真冬に甲状腺機能低下症で低体温
 皮膚病でも紹介した犬の甲状腺機能低下症ですが、高齢犬が皮膚病を起こさずに低体温で真冬に倒れて昏睡状態となり病院に担ぎ込まれる事が毎年のようにあります。低体温、徐脈(心拍数の低下)、削痩、昏睡、貧血などが主な症状で、皮膚病は全く見られない事が多いようです。

 飼主さんは前日までいつも通り食べていたと言われますが、少しでも食べていれば元気だと思ってしまうのでしょう。急いで温めた静脈点滴を開始して心拍数も上がるよう救急処置を行います。甲状腺ホルモン検査の結果が出れば、退院後に甲状腺ホルモン剤の投与が生涯にわたり必要となります。

 たいていはフィラリア予防は診察も受けずに薬だけ貰っていた、混合ワクチン接種も受けないなどと、高齢になっても全く健診を受けない方に多いようです。高齢動物の飼主さんは年に2回は健診を受けさせてあげて下さい。病院でのトリミングの時、予防のついでなどでも結構です。
2011年3月18日(金)
東北地方太平洋沖地震について

 2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。 ペットの保護についても様々な動物愛護団体が活動されているとの事でした。製薬会社が福島県で被災するなど人体薬では一部に今後の流通の障害が懸念されていますが、動物薬、療法食等に付きましては今後の診療に支障を起こしうるような情報は来ておりませんので、買占め等の必要性は全くないことをここに報告いたします。当院からも微力ながら救援物資の寄付をさせて頂きました。1日も早い被災地の復興を心より願います。

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