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2012年11月1日(木)
今年度の獣医臨床講習会
 急に寒くなってきました。これからの動物病院は来年3月までおおむね閑散期に入ります。今年もこの時期に可能な限りの講習会に参加して患者さんのお役に立てるよう勉強です。予定が決まってきたので列記しました。

2012年06月17日(日) 心臓超音波診断実習(福井県)
2012年07月01日(日) 皮膚病学(石川県)
2012年07月29日(日) 画像診断研究会(石川県)
2012年08月05日(日) 整形外科(滋賀県)
2012年09月02日(日) 中部獣医師大会三学会(石川県)
2012年10月21日(日) 皮膚病学(滋賀県)
2012年10月28日(日) 気管虚脱(福井県)
2012年11月03日(祝) 腫瘍学(富山県)
2012年11月25日(日) 画像診断研究会(富山県)
2012年12月02日(日) 急性膵炎(滋賀県)
2012年12月16日(日) 小型齧歯類と学校飼育動物(福井県)
2013年01月20日(日) 動物行動学(石川県)
2013年02月03日(日) 眼科学(富山県)
2013年02月17日(日) 心臓病学(石川県)
2013年03月03日(日) 腫瘍学(石川県)
2013年03月31日(日) 神経病学(福井県)

 地元近辺だけでもこれだけの講習会が毎年開催されるということは、それだけ日曜日の休日も惜しんで講習会に参加する臨床獣医師が多いという事です。北陸3県は持ち家率も高くペットものびのびと暮らせて、臨床獣医師も診療技術の向上に研鑽しています。これだけ講習会を開催している地方は他にないでしょう。北陸の飼主さんは間違いなく幸せだと断言できますね。研鑽する獣医師としない者、必然的にその差は開いていくでしょうし、私も飼い主さんに選ばれる動物病院でいられる様に体が許す限り最新の獣医療を取り入れて行きたいと思います。
2012年11月14日(水)
鍼灸漢方専門の動物病院

 先日の連休に東京に行ってきました。大学の同級生が目黒で鍼灸漢方専門の動物病院を開業しているので興味があり見学したいと思っていたところでした。患者さんの半数以上は椎間板ヘルニアなどにより後肢麻痺になって歩くのが困難になった犬に対しての鍼灸治療でした。日曜日にもかかわらず朝7時半から予約診療が休みなく夕方まで続いていましたが、鍼治療で次第に歩けるようになるワンちゃんたちを連れて来られる患者さんはいずれも笑顔でした。一番驚いたのは検査機器が顕微鏡くらいしか目立ったものが無いことで、当院のようなマルチスライスCT装置があるような病院とは対極的でした。深夜まで獣医学について語り合い、同級生を労って帰宅しました。
 私たちの行う獣医学は殆どが欧米で研究された西洋獣医学に基づいた治療が行われています。西洋医学は診断を正確に行えば適した治療に対して即効性がありますが完治しきれない病気に対しては限界があります。生物相手の事なので寿命がある以上必ず限界は訪れますが、東洋医学には西洋医学では完治しきれない患者に対しても生活の質、いわゆるQOLを改善できる可能性があるのではと思っています。
 東洋医学専門の動物病院は全国的にも極めて稀であり、当院でもまだ東洋医学を取り入れてはいませんが、患者さんのお役に立てるのであればいつか取り入れたいと思案しているところです。

2013年1月22日(火)
すてきな動物用サプリメント

 先日嬉しいことがありました。17歳で初期の心不全を持つ雑種のワンちゃんですが、しだいに両後肢も弱り始め、さらに先月には特発性前庭疾患により頭は傾き嘔吐と眼振が見られ水も飲めなくなったので入院となりました。何とかその場は持ちこたえたものの、薬を変えても効果はいまひとつです。そこである動物用サプリメントを投与してもらったところ、2週間後の来院時には表情がシャキッとして頭の傾きも改善し、両後肢の麻痺も消失し、さらに心臓の雑音まで消えてしまいました。もちろん飼主さんも私たちも大喜びです。

 と、ここまで聞くとよくあるサプリのCMみたいですが、これは本当に今月当院で起きた事実です。獣医師の私が責任を持って書いているわけですから信じて頂きたいです。

 この動物用サプリは血栓を防止して血流を改善します。脳神経疾患、心疾患、高脂血症等に効果が期待できます。全ての動物にこれほど効くとは思いませんが、今後も試してみる価値は十分にありそうです。正直胡散臭いサプリも人用、動物用ともにありますが、これは科学的裏付けが取れた製品ですので期待できます。今後も飼主さんのお役に立てる情報があれば吟味して取り入れるつもりですので期待して下さい。

2013年1月29日(火)
犬猫の行動学講習会に参加しました
 先週金沢で犬猫の問題行動についての講習会に参加しました。獣医師、動物看護士合わせて80人以上が参加し、今までにないぐらい盛況でした。
 
 「犬はリーダーを必要とする」、「噛み癖は口を押えてしつけする」、これらは現在の行動学ではすべて否定されているそうで、他にも目からウロコな情報がいくつかありました。
 
 また「人はやさしい」と子犬のころから教えてあげる、動物にとってやさしい内容のしつけ書を選ぶことも大事であるとおっしゃってました。その先生は問題行動や治療にホリスティックを特によく利用し、特にレメディが犬猫共に使いやすいとの事でした。これは賛否様々な意見があるかと思いますが、私は飼主さんにとって有益なものなら肯定したいと思います。10年前の常識が今日の非常識なんてことは学問の世界ではよくあることで、治療法もまた然りです。

 講師の先生が以下の3冊をお勧めしていましたので紹介します。翻訳本も出ていますので、世界最新の動物行動学に興味のある方はご購読下さい。

「犬はあなたをこう見ている」 John Bradshaw著

「動物が幸せに感じるとき」 Temple Grandin, Catherine Johnson共著

「犬から見た世界」 Alexandra Horowitz著
2013年2月4日(月)
十二代 市川團十郎さんがお亡くなりになりました
 2月3日、歌舞伎界を代表する人気俳優の十二代目市川團十郎さんが肺炎にて66歳でお亡くなりになりました。市川團十郎さんは昨年9月の敦賀市きらめきみなと館での福井県および福井県獣医師会主催の動物愛護フェスティバル記念講演で、「絆・家族との愛」との内容でご自身のワンちゃんとの絆を楽しく話して下さいました。ほんの数か月前に目の前でお話をされていた元気な姿からは想像も出来ませんでした。福井まで講演に来て下さいましてありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
2013年3月27日(水)
相変わらず多い誤飲事故・・・・・
細長い糸で小腸が捻じれて裂けます!  1月〜3月の3ヶ月で異物の誤飲事故が15件あり、うち5件が開腹手術となりました。鶏の骨、縫い糸、軍手、ガムテープ、ドコモダケ人形などなど、まあ言い出せばきりがありません。殆どが室内飼育の犬猫ですが、好奇心旺盛な若いレトリバー(特にラブ!)も要注意で、注意しても繰り返し異物を飲んで来院します。「いつか本当に開腹手術になるよ!」と叱っても当の本人(犬)は吐かせてしまえば知らん顔です。何とかならないのかと頭を抱えますが、あとは飼主さんに注意して頂くしかありません。一つ間違えれば死に至りますので気を付けて下さい。

 アニコムHPに誤飲に関する情報が飼主様向けにいくつか掲載されていますので紹介します。参考にして下さい。

家族みんなでSTOP誤飲!チェックリスト:ワンちゃん編

STOP誤飲新聞 2013年春

STOP誤飲新聞 2012年冬

STOP誤飲新聞 2012年秋

家族みんなでSTOP誤飲!
愛犬の事故を防ぐために(前編)

家族みんなでSTOP誤飲!
愛犬の事故を防ぐために(後編)
鶏の骨がまるごと1本胃の中に!