先日の連休に東京に行ってきました。大学の同級生が目黒で鍼灸漢方専門の動物病院を開業しているので興味があり見学したいと思っていたところでした。患者さんの半数以上は椎間板ヘルニアなどにより後肢麻痺になって歩くのが困難になった犬に対しての鍼灸治療でした。日曜日にもかかわらず朝7時半から予約診療が休みなく夕方まで続いていましたが、鍼治療で次第に歩けるようになるワンちゃんたちを連れて来られる患者さんはいずれも笑顔でした。一番驚いたのは検査機器が顕微鏡くらいしか目立ったものが無いことで、当院のようなマルチスライスCT装置があるような病院とは対極的でした。深夜まで獣医学について語り合い、同級生を労って帰宅しました。
私たちの行う獣医学は殆どが欧米で研究された西洋獣医学に基づいた治療が行われています。西洋医学は診断を正確に行えば適した治療に対して即効性がありますが完治しきれない病気に対しては限界があります。生物相手の事なので寿命がある以上必ず限界は訪れますが、東洋医学には西洋医学では完治しきれない患者に対しても生活の質、いわゆるQOLを改善できる可能性があるのではと思っています。
東洋医学専門の動物病院は全国的にも極めて稀であり、当院でもまだ東洋医学を取り入れてはいませんが、患者さんのお役に立てるのであればいつか取り入れたいと思案しているところです。
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