つれづれ日記 2001.1-5

 

2001年1月1日(月)

 あけましておめでとうございます。実は日野庵主人とその家族は21世紀を沖縄で迎え、先程武生に帰ってきたところです。沖縄の自然や文化には以前から触れたいと思っていたのですが、なかなか訪れる機会もなく、初めての沖縄訪問となりました。さて、詳しくはまた後日に……。なにはともあれ、2001年も「日野庵」をよろしくお願いします!

 

1月8日(月)

 同居人のマキは早々と沖縄の様子を「マキの部屋」にアップしたようで、私の方も「沖縄の美しい海」をここに載せないといけないようなのですが、それはもう少し後まわしにさせていただいて、実はこれをご覧の皆様に情報をいただきたいことがあります。それは、「指ごとに指さきまでも、わがくちづけし小さき手よ、静やかに手頸のほとり、わが唇の腕飾おきし手よ」という一節を含む詩が、誰の何という詩なのか、ということです。大正11年頃よりも前のものであることは確かなのですが、それ以上のことはまったくわかりません。曖昧な情報でも結構ですので、メールをいただければ幸いです(アドレスは「日野庵」トップページの郵便ポストのイラストをクリックすると自動的に表示されます)。どうかご協力を。

 

1月17日(水)

 しばらくご無沙汰している間に、北陸は大変な大雪になってしまいました。毎日学校へ通勤するのもやっとといった感じです。日々の除雪作業で疲労し、しばらく前にひいた風邪もはっきりとは治らないまま、何とか過ごしています。(ちなみに同居人のマキは、雪のせいで現在は別の某所に棲息中。)太平洋側の方にはまったくわからない苦労ですね。ここ十年以上の暖冬続きと便利になった社会のおかげで、北陸に住む私たちでも雪の恐さを忘れていた感がありますが、こうなってみると、都からはるばると武生へ来て、初めて本格的な雪を経験した紫式部の気持ちも、想像がつくというものです。(私の知る限りですが)式部の歌の中に北陸の雪の美しさを詠んだものは一つもないようです。

 

1月29日(月)

 風邪は治りました。マキも戻ってきました。が、以前から先送りにしてしまっていた仕事が締め切り間近になり、ただ今それに没頭しております。「日野庵」の更新、今しばらくお待ち下さい。

 

4月15日(日)

 何と2ヶ月半もご無沙汰になってしまいました。みなさん本当にごめんなさい。締め切り間近だった仕事の方はおかげさまで無事に終了したのですが、その後、家のパソコンの調子が悪く、「日野庵」と離れた生活が続いてしまいました。いけませんね。現在、パソコンの大幅改良と、「日野庵」のリニューアルを検討中です。で、それまでは、またこのつれづれ日記にちょこちょこと書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 半月ほど前、3月の末に同居人のマキと一緒に東京へ行き、森鴎外や夏目漱石の住居跡などを散策してきました。東京は、ふだんは地下鉄などを利用してしまいますが、今回はなるべく地上を歩いてみました。位置関係などがさっぱりわからず、かなり距離があるだろうと思い込んでいた所が、実際に歩くと案外近かったり、東京の真ん中にも、意外と閑静な場所があったり、結構新しい発見ができました。「東京を歩こう会」を結成しようかなどと、半分本気で考えたりもしています(笑)。

 

4月20日(金)

 やったー! 「日野庵」のお客様がとうとう1000人を突破しました。すごい。主人の怠慢さにもかかわらず、気長にアクセスして下さっている方々、本当に感謝いたします。でも、この「日野庵」、いったいどのような方が訪れて下さっているのでしょうか。せっかく立ち寄っていただいても、お話をする機会もないのはさびしいですね。リニューアルの際には、ぜひとも「掲示板」とやらを設置したいと思うのですが……。ま、のんびりペースの日野庵主人ですので、これからも気長にお付き合い下さい。

 

5月6日(日)

 ゴールデンウィークというのは、始まる前はあれやこれやと期待をふくらませるのですが、私のこれまでの経験では、終わった時点で満足がいくことは一度もなかったように思います。最近では、ゴールデンウィークはもともとそういうものなのだと、変に達観してみたりしているのですが、みなさんはいかがでしょうか? さて、そんなふうで、かえって精神的に不安定さを増す結果となりがちな今日この頃、私の頭の隅にはいくつかの文学的(でもないかも)課題が生まれてきています。一つは、リアリティーと視覚イメージの関係について。これは以前から漠然と私の意識の中にあった問題なのですが、たまたま保坂和志氏の「世界を肯定する哲学」(ちくま新書)の中に似たような問題意識を見つけて、やっぱりこれって重要だなと、なんとなく再認識したのでした。でも、もしかすると、これが今後の私の最重要課題になるかも……。で、もう一つは、(これも今新たにというわけではないのですが)出版や流通過程をも視野に入れた文学研究のスタイルという問題。著名な先生方がすでに多くの業績をあげていらっしゃることだと思いますが、自分なりにこの問題を消化していきたいものだと、そんなことを漠然と考えたりしています。ただ、いずれも、私の怠慢さではいつになったら方向が見いだせるものやら見当もつかず、ますます精神的な不安定は増していくのでありました。何か最近、漱石さんの胃痛や、子規のわがままに親近感をおぼえてしまうのですが……、これはいったいどういうことでしょうねえ。

 

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